Brainbaseの全体像
Brainbaseは、経営者や担当者の判断基準、過去の決定、その理由を会社に残し、AIや次の担当者が同じ前提で考え、動けるようにする仕組みです。
人間が、目的と判断基準、任せてよい範囲を決める。
AIは、それをもとに調べ、選択肢を比較し、見落としを指摘し、許可された仕事を進める。
つまり、Brainbaseの目的はAIに情報を大量に渡すことではありません。その人や会社なら、なぜそう判断するのかを引き継げる状態を作ることです。
まず一枚で見る
メールや議事録などの材料を、そのままAIへ丸投げする仕組みではありません。人間が承認した事実と関係をGraph SSOTへ置き、オントロジーで意味を揃え、Judgment DAGで判断・権限・実行・評価のつながりを扱います。
各部品の責任とデータの流れは仕組みとシステム構成、オントロジーの役割はオントロジーとはで説明します。
問題は情報不足ではなく、判断の属人化
会社には情報があっても、判断の理由は人の頭の中に残ります。
資料には残る 頭の中に残りやすい
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何を提案したか なぜその案を選んだか
売上はいくらか 何を優先したか
誰が参加したか 誰のための判断か
何を決定したか 何を守ろうとしたか
実行したか どの結果なら見直すかこの差がある限り、AIも次の担当者も「その会社ならどう判断するか」を引き継げません。
Brainbaseがない場合
会社の方針が、次のようなものだったとします。
単発案件ではなく、再利用できる資産を作る。経営者の個別稼働を増やさない。
新しい受託案件についてAIへ相談すると、一般的なAIは市場価格、売上、利益率を調べ、受注を勧めるかもしれません。
これは一般論としては合理的でも、その会社の目的には合っていません。
Brainbaseがある場合
AIは、案件情報だけでなく次を確認します。
- 会社が実現したい状態
- 誰のための判断か
- 優先する価値
- 守る制約
- 過去の類似判断と結果
- 人間が承認した実行範囲
そのうえで、たとえば次のように返します。
短期売上は得られますが、経営者の個別稼働が増え、再利用可能な資産も残らないため、現行方針には合いません。導入手順を標準化し、他の担当者でも実施できる条件なら受注候補になります。
Brainbaseが作るのは、正解を自動生成する魔法ではありません。誰のために、何を優先し、何を守るかを共有したうえで、より一貫した判断を行える状態です。
人間とAIの役割
人間が決めること
- 誰のための判断か
- 何を実現するか
- 何を優先するか
- 何を守るか
- 誰が決める権限を持つか
- どこまでAIへ任せるか
AIが担うこと
- 必要な情報を探す
- 選択肢を広げて比較する
- 人間の案が失敗する可能性を探す
- 見落としや矛盾を指摘する
- 承認された範囲で実行する
- 結果を証跡として戻す
AIは人間の基準を勝手に作りません。人間も、探索や追跡まで抱え込む必要はありません。
Brainbaseが残すもの
| 残すもの | 答えられる質問 |
|---|---|
| 目的・優先順位・守る制約 | この判断は何を実現し、何を守るためか |
| 観察・証拠 | 何を根拠に考えたか |
| 仮説・前提 | 何が変われば判断を見直すか |
| 判断・決定 | 何を選び、なぜ選んだか |
| 権限・承認 | 誰が決め、どこまで任せたか |
| 実行・成果物 | 実際に何をしたか |
| 結果・評価 | 判断は狙いどおりだったか |
| 更新・置換 | 現在どの判断が有効か |
メールや議事録は重要ですが、ここではEvidenceです。Brainbaseの中心は、Evidenceから判断、実行、結果までのつながりです。
内部ではJudgment DAGとして扱う
Context / Observation
↓
Judgment / Decision
↓
Resource / Risk
↓
Execution / Outcome
↓
Evaluation
↓
判断とDAGの更新この構造をJudgment DAGと呼びます。DAGという言葉を知らなくてもBrainbaseは使えます。詳しい技術モデルはJudgment DAGの考え方に分けています。
個人から組織へ、同じ判断モデルを使う
Brainbaseは個人用と会社用で別の判断スキーマを作りません。
Personal Judgment
↓ 実績・証拠・承認
Project Guidance
↓ 権限・昇格
Organization Policy個人の経験則をいきなり会社ルールにするのではなく、同じ構造のままscopeと権限を変えて昇格させます。
現在のOSS版の位置づけ
現在のOSS版は、最初の入口としてローカル優先のPersonal Onboarding Kitを提供しています。
現在すぐ使える入口
ローカルSSOTへ仕事文脈と判断基準を置く
↓
共通の中核
Judgment DAGとして判断を検証・実行する
↓
今後の発展
replay・evaluation・scope promotion・組織ガバナンスPersonal Onboarding KitはBrainbase全体ではありません。しかし、本人の判断基準をAIへ安全に渡し、実際の仕事で価値を確かめる最短の入口です。
BrainbaseとMana
Brainbase
判断構造、依存関係、runner、権限、成果物、評価を扱う
Mana
いつ実行するかを決め、目標間の優先順位を付け、継続的に追跡するBrainbaseは実行可能な組織認知です。Manaは、その認知を継続稼働させる自律的な組織運営です。
最初のゴール
最初から会社全体を構造化しません。
- AIへ何度も説明している現実の仕事をひとつ選ぶ
- その仕事の目的、関係者、判断基準、既存決定を承認して保存する
- 実エージェントがBrainbaseを参照して回答する
- 本人が「説明し直さず、判断が良くなった」と確認する
- 役立った判断だけを少しずつ再利用可能にする